2008-08-22

そして扉が閉ざされた レビュー

ポスト @ 20:19:50 | 小説

三日連続小説レビュー「評判いいけど個人的にはイマイチでした」シリーズ、最後は岡島二人の「そして扉が閉ざされた」を紹介。

<あらすじ>
富豪の若き一人娘が不振な事故で死亡して三ヶ月、彼女の遊び仲間だった男女四人が、遺族の手で地下シェルターに閉じ込められた。なぜ?そもそもあの事故の真相はなんだったのか?四人が死に物狂いで脱出を試みながら、推理した意外極まる結末は?極限状況の密室で謎を解明する異色傑作推理長編。

<感想>
 気がつくと、見知らぬ場所に閉じ込められていた、というシチュエーションスリラーっぽい設定から物語は始まる。自分以外にも知り合いが三人、同じような状況に置かれていることがわかり、部屋を捜索する。そして徐々に真相が明らかになってゆく。なぜこんなところに閉じ込められているのか?誰にやられたのか?そしてここはどこなのか?そして全ての鍵を握る三ヶ月前の事故。これらが綿密かつ繊細に絡みあっており、それを徐々に解きほぐす、という話。閉鎖された空間で、しかもたった四人の登場人物、各人の様々な思惑が明らかになっていき、最終的に真相にたどり着く。そこまでの過程は個人的にも面白かったと感じられた。ただ、ラストの真相というのが、ちょっとインパクトに欠けると思うのである。なんというか、驚くことは驚くのだが、そんな終わりでいいのかな、と思えるほどシンプルかつアッサリしたもので、正直肩透かしを食らった印象である。  加えて好きになれないのが登場人物たちである。この手の話を読む場合、大抵一人くらいはお気に入りなキャラがいるものだが、今作にはそれがない。よって感情移入もしづらく、結果として話にのめり込めない、というのがある。

 ただ、先に紹介した二作品とは違い、今作はそれなりの評価はできる作品である。ただ単に私には合わなかっただけである。設定も斬新だし、真相にいたるまでの経緯も面白い。ラストの展開に納得がいくなら、十分満足できる作品だろう。

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